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EGCGによる前立腺癌予防と治療の可能性
Tajamul Hussainら, Int. J. Cancer: 113, 660-669(2005)
ガンを含め多くの病理学的所見において、COX-2(シクロオキシゲナーゼ)の発現増加が見られており、COX-2阻害剤は、癌の予防または治療を目的として投与が可能である。
従来の非ステロイド性抗炎症薬および最近高度に発展したCOX-2特異の阻害剤は、ヒトの癌の予防に役立つことが見込まれている。しかし、正常細胞への副作用のため、その適用は制限されている。したがって、COX-1ではなくCOX-2阻害活性のある、化学的予防が証明された新しい、無毒の食事成分を見出す必要がある。
最近になり、緑茶やEGCGの研究において、その著しい癌予防および癌治療効果が確立されてきた。
今回我々は、EGCGがヒト前立腺癌細胞であるアンドロゲン依存性のLNCaPとアンドロゲン非依存性のPC-3を用い、mRNAとたんぱく質レベルで、COX-1出現に影響を与えずにCOX-2を抑制することを発見した。
前立腺癌細胞のLNCaPとPC-3にアラキドン酸を添加し培養すると、COX-2がPGE2(プロスタグランジン)合成を促進し、細胞増殖とともに濃度依存的に増加した。
まず、COX-2阻害剤(Celecoxib)による、アラキドン酸誘因の細胞増殖とPGE2増加抑制を測定するため、LNCaPおよびPC-3をアラキドン酸5μMのみまたはCelecoxib10μMを追加し6時間培養した。その結果両細胞ともに、Celecoxib添加により細胞増殖とPGE2産生が有意に低下した。
次にEGCGの効果を同様に測定した結果、用量依存的に、細胞増殖が10μMで20%、25μMで37%、50μMで62%低減された。PGE2産生においても、10μMで15%、25μMで36%、50μMで59%、100μMで85%の低減がみられた。
図 アラキドン酸による癌細胞の細胞増殖とPGE2産生におけるEGCGの効果
*p<0.05 **p<0.001
本結果より、化学的治療薬とEGCGの併用は、前立腺がんの予防と治療に効果的であることが示唆される。
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