前立腺がんに対する緑茶の効果:中国における症例対照研究
Le Jianら, Int. J. Cancer: 108, 130-135, 2004
 
緑茶摂取が前立腺がんに及ぼす影響を調査するため、中国南東部において症例対照研究を行った。
対象: 前立腺がん発症患者 130名
  コントロール 274名(前立腺がんや他の悪性疾患に罹患していない入院患者)
緑茶摂取者の割合: 患者群 55.4%
  コントロール群 79.9%
結 果
前立腺がんリスクは、緑茶摂取の頻度や期間、量が増加すると減少した(図)。
非摂取者と比較すると茶摂取者のオッズ比は0.28(95%CI 0.17-0.47)であり、摂取期間が40年以上では0.12(95%CI 0.06-0.26)、茶葉消費量が年に1.5kg以上の場合は0.09(95%CI 0.04-0.21)、摂取量が1日に3杯(1L)以上では0.27(95%CI 0.15-0.48)であった。
緑茶摂取は用量依存的に前立腺がんを防御することが示唆された。
 
オッズ比
  図 前立腺がんリスクと緑茶摂取状況との関連性
*非摂取者と比較  *身体状況や飲酒・喫煙など多因子調整後
 
表 緑茶摂取者(1回/月以上)の摂取状況
 
患者群(72名)
コントロール(219名)
 
期間(年)
30.35
36.68
P<0.01
総茶葉消費量(kg/年)
1.09
1.54
P<0.01
茶葉消費量(g/日)
2.78
4.13
P<0.001
 
結 論
中国人男性を対象とした本試験では、緑茶の摂取頻度・期間・量などが増加すると前立腺がんのリスク低下につながることが示唆された。本研究結果は、動物実験やin vitro 、in vivoでも証明されている。今後は緑茶以外の茶の予防効果についても調査する必要がある。
 
 
 

 

 

 

Home Top

 

 


(c)Copyright Vitamin Information Center since 2000 December