葉酸摂取によるホモシステイン増加抑制効果
                          E Strandhagenら, Eur J Clin Nutri (2003) 57, 1411-1417
 

 

  コーヒー摂取により増加する血中ホモシステインに対する、葉酸またはピリドキシンの抑制効果を調査した。

 
試験方法

対象: 健常な男女121名、非喫煙者78%、年齢29-65歳
試験デザイン: 無作為割付比較対照試験
 
コーヒー非摂取 3週間 (n=120)
 
 
コーヒー600ml/日+葉酸200μg/日(n=59)またはプラセボ(n=61) 4週間
 
 
コーヒー非摂取3週間 (n=116)
 
 
コーヒー600ml/日+ピリドキシン40mg/日(n=57)またはプラセボ(n=59) 4週間
   
評価項目: 血中ホモシステイン濃度の変化
   
結果

最初の3週間のコーヒー非摂取期間に総ホモシステインが1.04μmol/l減少した。その後のコーヒー+葉酸摂取によりさらに0.17μmol/lの減少が観察されたが、コーヒー+プラセボ摂取群では1.26μmol/l増加した。その差は1.43μmol/lであった(95%CI:0.80-2.07)。ピリドキシン摂取群ではホモシステインには影響しなかった。

表1 各試験前の3週間のコーヒー非摂取によるホモシステイン濃度(mmol/l)の変化

 
試験前
コーヒー非摂取3週間後
95%CI
葉酸試験(n=120)          
血漿ホモシステイン
10.04±4.2
9.00±3.1
-1.04
-1.45, -0.62
<0.0001
           
ピリドキシン試験(n=116)          
血漿ホモシステイン
9.58±3.8
8.77±2.8
-0.68
-0.38, -0.99
<0.0001

 

表2 葉酸摂取群とプラセボ群との血漿ホモシステイン濃度および血清葉酸濃度変化の比較

 
葉酸摂取群(n=59)
プラセボ群(n=61)
 
ホモシステイン(mmol/l)      
コーヒー非摂取後
9.10±2.45
8.92±3.66
 
コーヒー+サプリメント
8.93±2.08
10.20±4.85
 
-0.17
1.26
P<0.0001

葉酸(nmol/l)      
コーヒー非摂取後
11.9±6.5
14.1±7.3
 
コーヒー+サプリメント
20.8±6.07
13.4±6.38
 
8.81±6.09
-0.72±4.9
P<0.0001

 

結論

葉酸はコーヒー摂取によるホモシステイン濃度増加に対して抑制効果があったが、ピリドキシンでは効果は観察されなかった。

 


 

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