B群ビタミン摂取と末梢動脈疾患リスクとの関連性
Anwar T. Merchantら, J Nutr 133: 2863-2867, 2003
 
 
B群ビタミンを摂取すると冠動脈疾患リスク低減がみられるが、末梢動脈疾患(PAD:Peripheral arterial disease)への影響は知られていない。 本研究では葉酸、ビタミンB6、B12の摂取量とPAD発症リスクとの関連性について、米国の男性46,036名(40-75歳)を対象に調査した。ビタミン摂取量については、食事とサプリメント使用状況について調査し、摂取量を算出した。 12年間の追跡期間中に308名がPADに罹患した。本研究の結果、葉酸摂取量が400μg/日増加するごとに、PAD発症リスクが21%低減した(他因子補正後、相対リスク0.79、95%CI0.64-0.96)。葉酸摂取量を5分位に分類した場合、最高量摂取群は最低量摂取群と比較して、リスクが33%低かった。ビタミンB6及びB12摂取量とリスクとの間にも、逆相関関係の傾向が観察された。本研究から、葉酸の高摂取はPAD予防につながる可能性があることが示唆された。
 
 
表 葉酸・ビタミンB6・ビタミンB12摂取量とPADリスク
摂取量 5分位
 
1
2
3
4
5
P trend
葉酸
1.00

0.82
(0.58-1.17)

0.80
(0.56-1.14)
0.66
(0.45-0.96)
0.67
(0.45-0.96)
0.03
B6
1.00
0.89
(0.62-1.29)
0.94
(0.65-1.36)
0.76
(0.52-1.11)
0.70
(0.48-1.02)
0.06
B12
1.00
1.01
(0.70-1.46)
0.84
(0.58-1.22)
0.81
(0.56-1.17)
0.77
(0.54-1.11)
0.12
相対リスク(95%信頼区間)
他因子補正後(喫煙、飲酒、BMI、高血圧、高脂血症、等)
 
図 葉酸摂取量と末梢動脈疾患リスクの関係


 
 

 

 

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