妊娠可能な女性の葉酸に対する認識やサプリメント摂取状況の変化(ノルウェー)

Daltveit-Anne-Kjerstiら, Scand J Public Health 2004, 32 (4): 264-71

 
日 的
ノルウェーの栄養関連機関は、1998年3月頃より、神経管欠損症を予防のために妊娠前と初期に葉酸を摂取することを推奨している。著者らは葉酸と妊娠に関するキャンペーンが実行された前後における、葉酸摂取やサプリメントに対する知識や摂取状況、考え方などの変化を調査した。
 
方 法
1998年と2000年の各後半の時期に電話調査を実施
回答者:妊娠可能な年齢のノルウェー人女性、1998年;1,146名、2000年;1,218名
 
結 果
 
1998年
2000年
葉酸の認知率
50%
60%
妊娠中の効用の認知
33%
46%
先天性代謝異常を予防する可能性のあることを認知
9.5%
21%
神経管欠損症のリスク低減のための摂取期間は妊娠前と初期であることを認知
4.0%
8.5%
 
妊娠を計画している、妊娠中または1年以内に出産経験があるなど、妊娠を身近に経験している女性と高学歴の女性において、葉酸の認知および認知度の増加が著しかった。
調査の前年に出産経験をした女性、それぞれ1998年で54名、2000年で55名のうち、妊娠前または初期に葉酸サプリメントを摂取した人は、10%(95%CI 5-21%)と47%(95% CI 35-60%)であった。また妊娠を身近に経験している女性の中では、1998年で76%、2000年で76%の人が、今後妊娠した時に葉酸サプリメントを摂取する可能性があると答えた。
 
ま と め
ノルウェー人女性の葉酸に対する知識と摂取状況は1998年よりも2000年の方が高く、増加していた。今後は、社会的階級による葉酸の摂取や知識の差をなくすこと、また特に、葉酸の摂取期間に関する認識を増加させることを目的とした情報発信をしていくべきである。
 
 
 

 

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