抗酸化ビタミンとミネラル摂取による健康への影響

Serge Hercbergら, Arch Intern Med. 2004; 164: 2335-2342

 
方 法
無作為二重盲検プラセボ対照試験
対象: 成人 13,017名(フランス) (女性 7876 名(35-60 歳); 男性 5141 名 (45-60歳))
  抗酸化物質摂取群: 6481名(アスコルビン酸 120 mg、ビタミンE 30 mg、β-カロテン 6 mg、 セレン 100 μg、亜鉛 20 mg)
  プラセボ群: 6536名
平均追跡期間: 7.5年  
評価項目: 致死的/非致死的 虚血性心血管疾患、ガン(基底細胞ガンを除く)、総死亡率

 

結 果
・ ビタミン・ミネラル摂取群とプラセボ群との間に大きな差はなかった
総ガン発症率: 267 [4.1%] vs. 295 [4.5%]
虚血性心血管疾患発症率: 134 [2.1%] vs. 137[2.1%]
総死亡率: 76 [1.2%] vs. 98 [1.5%]
 
・ しかし、性別にみると有意な結果が観察された
ガンのリスク
男性においてリスクが減少 (相対リスク 0.69 [95%CI 0.53-0.91])したが、女性では減少されなかった (相対リスク 1.04 [95%CI;0.85-1.29])
総死亡率
男性において総死亡率が減少 (相対リスク 0.63 [95%CI 0.42-0.93])したが、女性では減少されなかった (相対リスク 1.03 [95%CI;0.64-1.63] )
 
結 論
低用量の抗酸化物質摂取7.5年後、男性においてガン発症率と総死亡率の減少がみられた。女性には影響がなかった。 男性のみで効果が観察されたのは、ベースライン時の抗酸化物質、特にβ-カロテンが低値であったことも原因の一つと考えられる。
 

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