アメリカの成人におけるビタミンC状態と死亡率
                          Loria CM ら、Am J Clim Nutr 2000;72:139-145 
 
 
試験・調査の背景
低ビタミンC状態のヒトは、ガンや心臓血管系疾病による死亡リスクが高い可能性がある。 
 
 
目的
 血清中ビタミンC(アスコルビン酸)濃度と死亡率の関連性及びその関連性に喫煙あるいは性が影響するかを調査するため。 
 
 
試験計画
第2次NHANES(1976-1980)に参画した成人集団の一部のヒトの血清ビタミンC(アスコルビン酸)濃度を測定
12-16年後でも濃度低下がないことは確認済
評価法、死亡の相対リスク比はCoxproportional法(考えられる混乱因子は調整) 
 
 
結果

<男性>
  血清ビタミンC濃度を4つのレベルにグループ分けして、比較すると、最も血清ビタミンC濃度の低いグループは(28.4μ mol/L未満)最も血清ビタミンC濃度の高いグループ(73.8μmol/L超)に比べて種々の疾病による死亡のリスクが57%高かった(相対リスク比:1.57、95%信頼限界:1.21,2.03)。 また、ガンによる死亡のリスクにだけ限定すると62%高かった(相対リスク:1.62、95%信頼限界:1.01,2.59)。 それに反して、中間のビタミンC濃度2グループでは、どの群に対しても死亡リスクの増加は認められなかった。また、心臓血管疾病による死亡リスクいづれの群間でも死亡リスクの増加は認められなかった。

<女性>
  男性で認められたような関係は認められなかった。 これらの結果 を非喫煙者あるいは喫煙未経験者の成人に限定して解析しても一定していた。したがってここでは観察された関係は喫煙とは無関係である。
 
 
結論

 これらの結果から、低血清中ビタミンC濃度の男性は、死亡率のリスクが高い。これはおそらくガンによる死亡のリスクが高いことによると思われる。それに反して、女性においては男性のような関連性はなかった。

 
 

 

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