タバコ環境下における子供のビタミンC状態への影響
                   Alan M Prestonら, Am J Clin Nutr 2003;77:167-72. 

 

喫煙はビタミンC状態に悪影響を及ぼすことはよく知られている。また受動喫煙をしている非喫煙者のビタミンC状態についても現在明らかにされつつある。
 
 
本研究ではタバコの煙に暴露されている子供と暴露されていない子供のビタミンC状態を測定し、煙の暴露量によるビタミンCの変化を分析した。

対象:2-12歳 512名
 50%が両親が喫煙者のため、家で受動喫煙の状態にある。

ビタミンC摂取量と血中ビタミンC濃度をタバコの煙に暴露されている者と暴露されていない者とで比較した。煙の暴露量はurinary cotinineをバイオマーカーとして測定した。
 


 
結果
血漿アスコルビン酸濃度はタバコの煙に暴露されている群はされていない群よりも3.2μmol/L低値(P=0.002)であった。タバコの煙への暴露が少なくても血漿アスコルビン酸減少が観察された。

表 タバコの煙への暴露者と非暴露者の血漿ビタミンC濃度(μmol/L)
  非暴露 n 暴露
全体 269 52.1 (50.7-53.5) 243 48.9 (47.4-50.5)
年齢        
2-4歳 69 53.0 (50.2-55.8) 61 47.9 (44.4-51.5)
5-8歳 105 53.6 (51.4-55.8) 87 51.0 (48.5-53.5)
9-12歳 95 49.7 (47.4-52.0) 95 47.7 (45.5-49.9)
性別        
男性 131 51.5 (49.7-53.3) 120 51.4 (49.4-53.5)
女性 138 52.6 (50.5-54.7) 123 46.5 (44.3-48.7)

平均値(95%信頼区間)
 
 
結論
受動喫煙は、タバコの煙に暴露している子供は暴露量が最低の時でさえ、暴露されていない子供よりも、血中の大切な抗酸化物質であるアスコルビン酸濃度を低下させる。受動喫煙の可能性のある子供には、ビタミンCを多く含む果物の摂取や、サプリメントなどでビタミンCの補給を推奨するべきである。

 
 

 

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