ケベック住民を6群に分けクロスセクショナルスタディが行われた。404名の男女健常者(69歳〜83歳)を対象に24時間食事の記録と血漿サンプルが収集され、その結果わずか45%が血漿サンプル中の25(OH)D濃度が75nmol/L以上であった、また一日の摂取量の約3分の2はサプリメントからの摂取で賄われている事がわかった。
著者は『25(OH)D濃度が必要最小限75nmol/l以上になるためには、サプリメントの使用が重要である』と結論付けている(J.
Nutr.
(January 20, 2010). Roula
Barakéらによる報告。Vitamin
D Supplement Consumption Is Required to Achieve a Minimal Target
25-Hydroxyvitamin D Concentration of >=75 nmol/L
in Older People)
ビタミンDの不足は高齢者において良く認められるが、これらは骨の衰え、筋肉の衰弱、また転倒に関連することが解明されている。
二重盲検で被験者を70歳以上の高齢者で血漿中25(OH)D濃度が6-20ng/ml(15-50nmol/L)の対象者をランダムに選び、1週間にビタミンD3を8400IU与えられる群とプラセボ群に分け、評価を行った。 ビタミンD3サプリメントにより有意に25(OH)D量が増加し、筋力が増加しふらつきが減少した。 (Am
J Clin Nutr
(February 3, 2010). Paul
Lipsらによる報告。Once-weekly
dose of 8400 IU vitamin D3 compared with placebo: effects
on neuromuscular function and tolerability in older adults with
vitamin D insufficiency)
上記の結果は最近のレビュー(Osteoporos
Int. 2009 Dec 3.
Bischoff-Ferrari HAらによる報告,
Benefit-risk assessment of vitamin D supplementation.)とも一致しており、アメリカでの現在の1日ビタミン推奨量は200
IU‐600
IU を1日1800IU−4000IUへと大幅に摂取量を上げることを提案している
(Office
of Dietary Supplements •
National Institutes
of Healthが提供するWebサイトhttp://dietary-supplements.info.nih.gov/factsheets/vitamind.asp#h3よりDietary
Supplement Fact Sheet: Vitamin D)
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