カルシウムとビタミンDの摂取量と女性における乳癌リスク

Arch Intern Med. 2007;167:1050-1059
Jennifer Linら

 
 
背 景
乳癌の進行に関し、カルシウムとビタミンDの潜在的な発がん予防効果を示唆する動物データはこれまでに報告されてきたが、カルシウムとビタミンD濃度が乳癌に関連すると確定した疫学的なデータはない。
 
方 法
被験者  45歳以上の女性(癌と心血管疾患を持つ患者を含まない)
閉経前の女性10,578名、閉経後の女性20,909名

評価法
乳癌発生率に関し、前向きにカルシウムとビタミンDの総摂取量を評価
ベースライン食事摂取量は、食物頻度アンケートによる評価を実施
危険率と95%の信頼区間を推定するため、コックス比例危険回帰を使用

 
結 果
平均10年の追跡調査結果では、閉経前女性276名と閉経後女性743名は、浸潤性乳癌であると確認されました。
カルシウムとビタミンDの総摂取量が高かった群は、閉経前の女性において乳癌発症危険率が低かった。カルシウム摂取量が最小であった五分位群の危険率は0.61(95%信頼区間0.40-0.92)、ビタミンD摂取量最小群で0.65(95%信頼区間0.42-1.00)であった。

閉経前の女性の分化癌の進行が重度な群と軽度な群においてカルシウムあるいはビタミンDの両栄養素間で、摂取量が多いほど乳房腫瘍の危険率が高かった。
しかし対照的に、閉経後の女性では乳癌リスクと両栄養素の摂取との逆相関はなかった。

 
結 論

本研究より、カルシウムとビタミンDのより高い摂取量が閉経前の乳癌の危険率を低くする可能性があることを示唆しました。

 

 

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