施設入居している高齢者が、ビタミンEを1年間摂取することにより気道感染にどのような影響を及ぼすかを調査。
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二重盲検無作為プラセボコントロール試験 |
期間: |
1年間 |
対象: |
65歳以上の男女617名が登録
451名(73%)が1年間の試験を完了(試験完了者) |
投与量: |
ビタミンE摂取群 200 IU/日+マルチビタミン・ミネラル プラセボ群 プラセボ+マルチビタミン・ミネラル
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評価項目: |
気道感染発症率、上部・下部気道感染の発症者数および日数 |
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ビタミンEは上部・下部の気道感染の日数や発症率には影響を及ぼさなかった。
しかし、ビタミンE摂取群における、一つまたはそれ以上の気道感染の発症者数は有意に少なかった(全対象者:リスク比0.88<95%CI
0.76-1.00> P=0.48、試験完了者:リスク比0.88<95%CI 0.75-0.99> P=0.04)。 また、上部気道感染については、全対象者でリスク比が
0.84 <95% CI 0.69-1.00> P=0.05 、試験完了者においては、リスク比 0.81 <95% CI 0.66-0.96>
P=0.01であった。 |
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図 ビタミンE摂取が風邪の発症に及ぼす影響 |
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ビタミンE 200 IU/日摂取は、施設入居している高齢者の気道感染の低減には有意な効果はなかった。しかし、上部気道感染、特に一般的な風邪においてはビタミンE摂取による効果が観察され、今後の研究へ期待がかかる。 |
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