黄斑色素密度と血清・脂肪組織中ルテイン及び血清ゼアキサンチン濃度との関係
                        Wendy MR Broekmansら, Am J Cli Nutr 2002; 76: 595-603
 
 
 
試験の背景
黄斑色素密度は網膜の中心部に集中し、ルテイン・ゼアキサンチンを含んでいる。 黄斑色素密度は血清ルテイン・ゼアキサンチンや脂肪組織中ルテイン濃度と関連性のあることも指摘されている。
 
 
対 象
健常者 376名 (年齢:18-75歳)
血清376サンプルと脂肪組織187サンプルの、カロテノイド、黄斑色素密度を測定した。

 

結 果
平均黄斑色素密度は0.33±0.15で、女性より男性で13%高かった(p<0.05)。                   
血清及び血中のα-トコフェロール、ビタミンC、カロテノイド(リコペン以外)濃度は女性で有意に高値であった。
脂肪組織ルテイン濃度も男性より女性で有意に高かった。 年齢調整後の黄斑色素密度と血清ルテイン・ゼアキサンチン、脂肪組織ルテイン濃度との間には相関関係がみられた。しかし、女性では関連がなかった。 男性において、性・総コレステロール・BMI・喫煙調整後、血清ルテイン濃度と黄斑色素密度との間に有意な関連性があった。

 

 
濃度
ルテインとの相関(r)
黄斑色素との相関(r)
 
男性
女性
男性
女性
男性
女性
血清ルテイン(μmol/)
0.16±0.07
0.19±0.08
-
-
0.37
0.10
血清ゼアキサンチン(μmol/L)
0.05±0.02
0.05±0.02
0.64
0.64
0.28
0.07
血清α-カロテン(μmol/L)
0.06±0.06
0.08±0.06
0.38
0.45
0.25
-0.004
血清β-カロテン(μmol/L)
0.33±0.19
0.40±0.25
0.30
0.41
0.23
-0.05
血清α-トコフェロール(μmol/L)
26.0±5.5
27.6±6.6
0.23
0.25
0.04
0.21
血中ビタミンC(μmol/L)
40.2±12.2
49.9±13.4
0.18
0.29
0.15
0.20
脂肪組織中ルテイン(μmol/kg wet wt)
0.32±0.17
0.47±0.31
0.46
0.53
0.29
-0.007

 

結 論
黄斑色素濃度と血清ルテイン、血清ゼアキサンチンおよび脂肪組織ルテイン濃度との関連性は女性よりも男性の方が高かった。

 

 

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