ルテインとビタミンEまたはビタミンC併用摂取による酸化的ストレスのバイオマーカーへの影響
Blakely Sら, J Nutr. 2003; 133: 2838-2844

 
Zucker肥満(Obese)ラットおよび痩身(Lean)ラットを用いて、ルテインのみ、ルテイン+ビタミンCまたはルテイン+ビタミンE摂取による、酸化的ストレスのバイオマーカーに及ぼす影響を調査した。

 

投与食
コントロール
VE:ビタミンE(α-トコフェロール)0.60mg/kg
VC:ビタミンC(アスコルビン酸)0.75mg/kg
Lut0.5: ルテイン0.5mg/kg
Lut1.0:ルテイン1.0mg/kg
 

各検査結果を表に示す。
肥満群は痩身群と比較して、肝臓の過酸化脂質(マロンジアルデヒド濃度)が高かった。肥満群内で比較すると、GSH-px活性はLut 0.5、VE+Lut 1.0、VE+Lut 1.0、VC+Lut 1.0群においてコントロール群より高い値を示し、VE+Lut 0.5群とVC+Lut 0.5群においてはコントロール群より有意に高かった。
また、MDA値はVE群が他群よりも有意に低値であった。VC+Lut 0.5群においては、 MDA濃度がLut 0.5群またはコントロール群より有意に低く、ビタミンCとルテインの相互作用によるものと考えられた。 肝臓中α-トコフェロールの蓄積はVE摂取と直接関連しており、ルテイン摂取との関連性はなかった。

 
表1 各食餌摂取後(8週間)の肝臓MDA濃度とGSH-px活性
 
MDA(μmol/g)
GSH-px(mU/mgたんぱく)
痩身
肥満
痩身
肥満
コントロール
55±2
130±13
190±18
219±27
Lut 0.5
56±2
136±11
270±31
191±18
Lut 1.0
62±3
114±16
200±22
191±15
VE
55±2
80±13
193±24
207±9
VE+Lut 0.5
58±3
87±19
282±33
272±32
VE+Lut 1.0
54±2
83±18
263±30
224±34
VC
54±1
106±15
186±16
243±35
VC+Lut 0.5
62±4
96±9
190±32
298±26
VC+Lut 1.0
60±3
133±10
293±32
221±25
平均値±SEM、n=8
 
表2 各食餌摂取後(8週間後)の肝臓中ルテイン・α-トコフェロール・アスコルビン酸濃度
 
ルテイン
α-トコフェロール
アスコルビン酸
痩身
肥満
痩身
肥満
痩身
肥満
コントロール
ND
ND
299±11
275±16
1.2±0.07
1.4±0.14
Lut 0.5
3.8±0.42
2.4±0.43
276±16
149±16
1.3±0.08
1.3±0.08
Lut 1.0
3.6±0.77
3.6±0.40
251±14
153±12
1.6±0.12
1.2±0.14
VE
ND
ND
1143±79
1946±80
1.3±0.09
1.3±0.12
VE+Lut 0.5
4.8±0.38
2.8±0.45
928±66
954±77
1.3±0.07
1.3±0.14
VE+Lut 1.0
5.5±1.10
3.7±0.23
749±66
994±80
1.4±0.13
1.3±0.05
VC
ND
ND
337±15
239±16
1.6±0.12
1.7±0.16
VC+Lut 0.5
3.3±0.25
2.2±0.32
2386±8
146±11
1.7±0.15
1.6±0.12
VC+Lut 1.0
4.5±0.72
2.0±0.33
260±19
108±9
1.5±0.14
1.7±0.15
単位:μmol/g
平均値±SEM、n=8、ND:検出不可
 
表3 各食餌摂取後(8週間後)の血漿ルテイン・α-トコフェロール濃度
 
ルテイン(μmol/L)
α-トコフェロール(μmol/L)
痩身
肥満
痩身
肥満
コントロール
ND
ND
18±6
70±3
Lut 0.5
77±7
135±9
13±2
52±17
Lut 1.0
107±7
143±16
19±3
47±3
VE
ND
ND
35±2
123±7
VE-Lut 0.5
102±13
101±9
42±8
88±6
VE-Lut 1.0
118±23
130±7
62±8
92±14
 
結 論
本研究結果より、ルテインはビタミンCやビタミンEと併用することにより、酸化的ストレスのバイオマーカーに影響を及ぼすことが示唆された。
 

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